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物を大切にする気質2

[家の話]

京都市指定文化財でもある、六文字屋半兵衛の榎邸にも、一番奥に二階建ての蔵があります。蔵というものは砂とか土壁でできていて、壁にも厚みがあるため防火に役立ちます。町家は木造ばかりなので火事になると隣の家々まで勢い良く燃え広がってしまいます。しかし間に蔵があるとそこで防火ができます。そういった理由で町内の近所同士で申し合わせをし、蔵を一列に並べて延焼しないように作っている所もあるそうです。


蔵の壁は2階が土壁で、補修する時は一度土を全部落とします。田んぼから買ってきた麦わらを細かくして寝かしておき、発酵した麦わらと壁から落とした土とを練り直して、壁に塗ります。ゴミも出ず、簡単に捨ててしまわない。そういった風潮で、どこかの家で蔵を潰すとなると蔵の壁の土を買いに来る業者がいます。手間はかかりますがこれも生活の知恵です。


家も柱は埋めずに石の土台の上に乗せてあるだけのようです。例えば大地震で土台から家が落ちた場合は、てこを使って人力で持ち上げます。そうしてダメージを少なくしているのです。

また、道を広くする時なども住み慣れた家を潰さずに済みます。家の下に丸太を何本も入れてみなで引っ張り、家ごと30メートル転がしたこともあるそうです。“動かせる家”という、なかなか他地域にはない発想です。 さらに町家の造りは組み立て式、人手はかかりますが移動式なのです。家の一部が腐ったり潰れたりしても、外して替わりのものを入れ替えることが可能です。 このように京都では簡単にものを捨てない、あきらめない、そういう気質があるようです。


榎邸の天井裏の話

ある時、榎邸の敷居が瓦の重みで歪み、扉が開かなくなりました。天井裏を見ると、くさびを打ち込む部分があり、天井を押し上げることができました。建築当時、あらかじめ修復できるようにと考えられていたのです。ここにも物を捨てずに最後の最後まで使いきる京都の精神があらわれています。


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